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経営ワンポイント講座

部門別利益管理の方法

事業の内容が多岐にわたり、それぞれの限界利益が全く異なる場合、それぞれの事業での経常利益や損
益分岐点を出したい場合はどのように算出すればよいでしょうか?
・経常利益 = 売上 - 変動費 - 固定費
・損益分岐点売上 = 固定費 / (1 - 変動費率) で算出
ここで問題となるのが、固定費の扱い方です。固定費をどのように別けるかによって、各部門での経常利益・
損益分岐点は大きく変わってしまい,今後の事業展開を間違った方に進みかねません。
したがって、固定費を実状に応じてしっかりと別けることが必要となります。
(例題) 株式会社○○ではA部門とB部門の全く異なる2つの事業を展開しています
  
<売上高> <費用>
400万円 A部門売上高 経常利益 100万円
固定費 400万円
600万円 B部門売上高 
変動費(A事業分) 300万円
変動費(B事業分) 200万円
※固定費内訳
  ・全体に係る費用 200万円
  ・A部門のみに係る費用  30万円
  ・B部門のみに係る費用  170万円
<手順1>  どの売り上げに対して発生している固定費かを区分
固定費によっては、どちらかの部門だけで使用するもの、発生するものがありそれを区分します。
※但し、細かく区分しすぎると大変な労力を要するので、大きな部分を占めるものだけにする
例) 人件費   200万円のうち A:30万円  B:70万円  A・B共通:100万円
修繕費    50万円のうち A: 0万円  B:50万円  A・B共通:  0万円
地代家賃  100万円のうち A: 0万円  B:50万円  A・B共通: 50万円
<手順2> 区分できない固定費の按分
区分できない(区分しきれない)固定費は様々な割合によって按分していくことになります。
◎方法1 : 売上比率で按分
全体に占める売上高のそれぞれの事業売上に占める割合で按分します。
上記例では、  A売上 : B売上 =  : 
区分できない固定費200万円は、
A固定費 = 200万円 × 4/10 = 80万円
B固定費 = 200万円 × 6/10 = 120万円    となります
したがって
A経常利益 = -10万円 A損益分岐点 = 440万円
B経常利益 = 110万円 B損益分岐点 ≒ 432万円
◎方法2 : 固定費の支出割合・労力等総合的に判断して按分
割合として明確には区分できないが、明らかに発生費用・頻度、要する労力等が違う場合には、按分
割合を総合的に判断する
<判断要因例>
・光熱費や車輌費の使用額・頻度に大きな違いがある
・事務管理に要する労力が異なる
・消耗品の消費が激しい
上記例にて仮に固定費を按分割合を総合的に判断し A : B = 2 :  とする
A固定費 = 200万円 × 2/10 =  40万円
B固定費 = 200万円 × 8/10 = 160万円    となります
したがって
A経常利益 = 30万円 A損益分岐点 = 280万円
B経常利益 = 70万円 B損益分岐点売上 ≒ 493万円
このように、固定費をどのような基準で別けるかによって、それぞれの固定費額、更に損益分岐点売上も変
わってしまいます。複数事業を展開していく場合には、自社の現状にあった方法で固定費の分解を行うこと
が大切です。その上で、何を削減すべきか、強化すべきか、何が会社にとって必要なのかを判断し今後の経
営に活かしましょう。
複数事業を営んでいる場合にそれぞれの計上利益を出すことによってわかること
<具体例>
・一方の損失を一方の利益で賄っている場合、損失が出ている方の効率をいかに上げるか?
・利益が見込まれない事業からの撤退
・複数事業によって得られる相乗的効果とマイナス効果の検証と原因追究
・それぞれの事業部門ごとの値引きの判断目安になる