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経営ワンポイント講座

価格が与えるインパクト

(例題)スーパーマーケット○○社のA店での1日当たりの変動損益計算書は次の通りです。
売上高 10,000,000
変動費 7,500,000 変動比率75%
限界利益 2,500,000 限界利益率25%
固定費 2,400,000 1日当たりの平均額
経常利益 100,000
 A店において、1日限りで全商品10%OFFのセールを実施しました。
 販売数量がどれだけアップすれば現状と同じだけの経常利益を得られるでしょうか?
(解答)販売数量の変動がない場合には、次のようになります。
●売上高=1,000,000×(1-0.1)=9,000,000
●変動費は割引前後では変わらず、変動比率が75%⇒83.3%(7,500,000÷9,000,000)へ増加
●限界利益は変動比率の増加に伴い25%⇒16.6%へ減少
●1日当たりの固定費は変化なし
売上高 10,000,000 10%割引後     ⇒ 9,000,000
変動費 7,500,000 7,500,000
限界利益 2,500,000 1,500,000
固定費 2,400,000 2,400,000
経常利益 100,000 -900,000
同額の利益を得る為には
目標利益(100,000)  + 固定費(2,400,000)
限界利益率(1,500,000÷9,000,000)
2,500,000
0.1667
15,000,000
 したがって、売上高の増加割合は
15,000,000 1.667
9,000,000
 となり約67%増の販売増を達成しなければ値引き前の利益を得ることができない計算になります。
価格が利益に与えるインパクトから、損益分岐点売上の変動についても理解して頂けたと思います。
例題では価格が利益に与えるインパクトを1日限りで考えていますが、長期的に考えるとどうなるでしょう?
上記のようなスーパーで1日限りの割引を行い、販売数量が増え割引前と同額の利益が得られたとしても、
増加分の商品を購入した顧客は誰でしょうか。それが既存の顧客であった場合には、翌日以降の売上の減
少につながるはずです。また、新規の顧客であった場合には、同じ地域の他の店舗の顧客をつれてきている
はずですので、顧客を奪われた店舗は同じように値下げを行い、今度は当店の顧客を奪うはずです。そうなる
と底なしのデフレスパイラルに陥ってしまいます。
つまり上記のようなスーパーでは長期的に同額の利益を得るには、割引する際には今後の利益の増減も見
越して割引日の目標売上を設定しなければなりません。したがって実際に値下げ販売を行う場合には、全商
品で実施することはなく、特定の商品でのみ行い、他の商品と抱き合わせで利益を上げるケースが多いはず
です。
価格の変更には、業種の特異性やタイミング又変更する商品等がとても重要!!
<割引のタイミングの具体例>
・開店間もないお店や新規ターゲットを狙う場合
・繁閑の差が激しく、変動比率が小さい業種
・過剰在庫の一掃
・一部の価格変更により相乗効果が狙える場合