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経営ワンポイント講座

変動損益計算書って何?

1.変動損益計算書とは
 現在、皆さんが活用している損益計算書、貸借対照表などは、会社法によって形式が定められてい
す。しかし、企業の業績判断及び将来の意思決定を行うにあたっては若干使いづらい面もあります。
そこで、今回は損益計算書を基に、変動損益計算書の仕組みと使い方について説明します。
この変動損益計算書の仕組みと使い方さえ理解すれば、企業経営の舵取りの方法が大きく変わるは
ずです。
2.変動損益計算書の仕組み
売上高 100百万円
変動費 70百万円
限界利益 30百万円
固定費 25百万円 変動比率 = 変動費
経常利益 5百万円 売上高
売上高 ・・・・ 損益計算書の売上高と同一です。
変動費 ・・・・ 費用のうち売上高の増加に応じて一定の割合(変動比率)で増加するものをいいます。
          したがって、変動費は売上高がゼロの場合には発生しません。
          変動費のうち大きな部分を占めるのは仕入・外注です。
限界利益 ・・ 売上高から変動費を差引いた利益をいいます。
固定費 ・・・・ 売上高の増加とは関係なしに固定的に発生する費用をいいます。
          具体的には人件費、家賃、水道光熱費などがあげられます。
経常利益 ・・ 損益計算書の経常利益と同一です。
 3.変動損益計算書を活用するにあたってのポイント
●売上高のうち変動費が占める割合が変動比率です。変動比率は業種及び各企業によって異なりま
 す。
 <参考>TKCの経営指標(2009年度 版)に載っている各業種ごとの黒字企業平均
  ・建設業   63.5%   ・小売業   69.9%
  ・製造業   55.5%   ・飲食業   34.5%
  ・卸売業   80.4%   ・美容業   13.7%
●固定費のうち大きな部分を占めるのは、人件費です。
 業績が悪化した場合に、人件費の削減が行われるのは、実施した場合の効果が大きいからです。
限界利益に占める人件費の割合を労働分配率といい、人件費が適正であるかの判断基準となります。
労働分配率 =  人件費
限界利益
<参考>   ・建設業   57.7%   ・小売業   51.8%
  ・製造業   53.5%   ・飲食業   54.3%
  ・卸売業   49.7%   ・美容業   55.9%
●変動費と固定費の厳密な区分は可能か?
 企業が支払う費用の中には、変動費と固定費を厳密に区分出来ないものも存在します。(例えば、
 件費の中の残業手当など)これらを、厳密に区分しようとすると相当な労力が必要となるでしょう。
 そこで、区分不明なものはとりあえず固定費として計算する方が無難でしょう。
4.変動損益計算書からわかること
・変動比率が業種別平均に比べて高い 
→ 仕入先・仕入方法の再検討が必要 
→ 加工過程での無駄や在庫が多い    等
・売上に対して固定比率が高い
→ 売上に対して会社の規模が大きい
→ 労働分配率が高い    等
・期間集計し対比することで、何が増減しているのかを把握
→ 会社内、又は会社を取り巻く環境の変化から、今後の経営の舵取りを図る